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心理学エッセンス

社会・産業心理学分野

商品の価値とは?

永野 光朗

2015.10.01
商品の価値とは?

 1日のうちに何度となく行われる商品の購買は、われわれ消費者が一定のコスト(支出)を支払って、商品に含まれる価値を手に入れるための行為ということになります。ではわれわれは商品に対してどのような価値を求めているのでしょうか?

 これについて「消費の外部性」という経済学の概念から考えてみます。この言葉の意味は、消費者が商品を買う場合に、商品が持っている実質的な品質や性能(これは「内部性」に相当します)だけを評価するのではなく、商品の外側にある付随的価値を見積もって代価を支払っているということです。たとえば高級ブランドの装飾品に高額の出費をすることがその典型です。この場合、物理的実体としての商品だけではなく、それ以外の内容(高級なイメージとか、自分自身のプライドを高めるといったこと)に代価を支払っているわけです。また「希少価値(少数の人しか持っていない)」に惹かれたり(「スノッブ効果」といいます)、その逆に「流行商品」なので自分も買うべきと考えること(「バンドワゴン効果」といいます)も「外部性」に相当します。

 日常的な消費者の商品選択は、このような外部性に強く影響力されますが、これは商品選択という課題をより複雑かつ困難にする要因ともいえます。装飾品、食品、家電製品といった物理的実体を伴った「モノ」としての商品でさえそうなのですから、物理的実体を伴わない「サービス」を購入する場合には、さらに困難さが伴います。その一方で、企業は新たな外部的価値を作り出すこと(付加価値の創造)で自社製品の差別化をはかり、またその価値に見合うだけの高い価格を設定して利益を得ようと努力しています。

 このような外部性の影響力は社会が豊かになるほど強くなることが指摘されているので、現代の消費者は自身にとって何が価値であるのかをきちんと見極めて、自身に利益をもたらすものはどのような商品であるのかを冷静に判断する能力を持つ必要があるといえます。