選択に満足する

塩谷 尚正(社会心理学分野)

 この時期は、新年度から新生活を始めるための準備に追われているという人が
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少なからずいるのではないでしょうか。またそうした経験は、今年ではなくても誰もが経験されたことがあると思います。このコラムの読者には、今まさに心理学の通信教育に挑戦するかどうかを検討中の方がいらっしゃるかもしれません。多くの大学のホームページを閲覧し、あるいは説明会に参加し、自分の興味関心に合う大学を探したり、またあるいは多くの大学の比較から、もっとも良さそうな選択肢を見つけ出そうとしたり、頭を悩ませているのではないでしょうか。

 いくつかの選択肢からある選択肢を採択することを意思決定といいます。意思決定をせまられるとき、私たちはなるべく間違いのない賢い決定をしたいと願います。しかしながら、どの選択がもっとも賢い選択なのか、判断することは簡単ではありません。場合によっては、選択のための情報がたくさん存在し、その情報を吟味することができないこともあるでしょう。その場合、吟味のためには多大な能力や時間、その他のコストを必要とします。それでも、いずれかの時点で意思決定をしなければなりません。そうでなければ「何も選択できなかった」という結果に終わってしまうことになります。

 多くの選択肢のもとで、人はどのような意思決定をするのか。シュワルツら(Schwarzt et al., 2002)の研究グループは、意思決定の方向性として2種類の区別を提唱しました。ひとつは追求者で、もうひとつが満足者です。追求者(Maximizer:マキシマイザー)とは、最大の利得や最上の結果を得ようとして可能な限りの情報収集に基づく意思決定をするような人です。満足者(Satisificer:サティスファイサー)とは、自ら設定した基準をクリアするかどうかによって意思決定をするような人です。シュワルツらの調査では、追求者傾向が強くなるほど、意思決定後の後悔が大きくなりやすく、幸福感や満足感が低くなりやすいことが示されました。同じような結果が、日本人に対する調査でも得られています。

 意思決定をする際には、自分なりの判断基準を確認しておくことが大切だといえます。そして意思決定後に、自分が採択した選択肢の良さを十分に活用することができれば、満足感は高まるのではないでしょうか。今、意思決定をせまられているあなたにとって、もっとも大切な選択基準は何でしょうか。

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