カウンセリングと傾聴

菱田 一仁(臨床心理学分野)

  カウンセリングでは話を聞くことが大切になります。ところで、私たちはカウンセリング以外でも日々人の話を聞いていますが、それは当たり前のことなのでしょうか。
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 話を聞くというと、記号を読み取るように言葉の意味を理解することと考えられるかもしれません。しかし、私たちのコミュニケーションにおいては、表情や身振り、話す時の間など、言葉以外の要素によって様々な情報が伝えられています。
 だからこそ、言葉だけで伝えないといけないとき、例えばEメールなどを考えると、私たちは文字で書かれた言葉だけでは伝わらないニュアンスを絵文字やスタンプなどで表現したりします。単純に「ありがとう」と書くのと、「ありがとう(^^)」と書くのでは、伝わるニュアンスが変わってきます。それはきっと言葉というものが思いのすべてを表現するには不十分だからです。
 場合によっては、私たちの本当に言いたいことは言葉の文字通りの意味の正反対であることさえあります。とても大切な人と些細なことで喧嘩をしてしまったときに"あなたのことなんて大嫌い"と言ってしまったことはないでしょうか。でも、そこで本当に伝えたいことはきっと"嫌い"ではなく、"あなたのことが大好きだからこそ私は傷ついた。でも私はあなたのことをこんなに大切に思っている"ということだったりします。言葉というのは時に私たちを裏切り、傷つけあう原因になってしまうことさえあります。

 話をするとき、私たちは"分かってほしい"と思って相手に伝えるのではないでしょうか。一方で、深く悩んでいることを誰かに話したときに、簡単に"分かった"と言われると腹が立ってくるという経験を持たれている方もいるかもしれません。では、ここで言う"分かる"とはどういうことなのでしょうか。
 分かるという言葉の意味の一つに"理解する"というものがあります。つまり、"クイズの正解が分かる"というときのように、合理的、論理的に理解するということです。そして、分かるという言葉の意味のもう一つには"分かち合う"という意味もあります。つまり、仲間と喜びを分かち合うように同じ気持ちを共に感じるということです。
 このうち、私たちが"分かってほしい"と言うとき、同じ気持ちを分かち合うということが大切になってくるように思われます。上に見たような、言葉の文字通りの意味だけでは伝わらないような様々な思いを少しでも分かち合えた時、より"分かってもらえた"と感じるかもしれません。

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