MESSAGE在学生・卒業生メッセージ

在学生 田桃子さん

心理学の知識が、クリエイティビティの素になる

在学生 田桃子さん
正科生1年次入学

コンテンポラリーダンサー

 

ケガの治療も、ダンサー人生の
一部なのだと気づけたことが転機に。

心理学と出会ったのは高校1年生のとき。あこがれのバレエ留学中にじん帯を損傷してしまい、「半年以上」と宣告されたリハビリ生活で心が折れてしまったことがきっかけです。リハビリは、動かない脚の可動域を広げていくための大切な治療でしたが、当時の私には「動けない脚と向き合う」ことへのストレスが強く、完全にモチベーションを失ってしまっていました。そんなとき、担当の医師からメンタルトレーニングやスポーツ心理学について教わる中で、さまざまなトップアスリートの半生を描いた本を読む機会がありました。そこに書かれていたのは、さまざまなケガやアクシデントを乗り越えながら、泥臭く大舞台に立ち続けるスターたちの姿。自分の境遇も決して悲観すべきではないと気づき、リハビリに意欲的に取り組めるようになりました。こうして、私をリハビリの孤独感から救い出してくれた心理学に興味を持つようになったのです。

海外にいても、日本での
キャンパスライフを楽しめる。

高校卒業後、念願かなって、プロのコンテンポラリーダンサーとして東欧ポーランドのダンスカンパニーと契約。仕事としてダンスをしながら暮らしていくことになりました。ただ、高校時代の友人たちが大学で勉強を続けている姿を見て、学士の資格取得もあきらめきれず…。スクーリングが不要で、興味のあった心理学を学べる「たちばなエクール」への入学を決めました。
いまは入学しておよそ2カ月。ちょうど仕事と勉強のリズムを掴み始めたという時期です。平日は10時から18時までダンスの練習に出かけ、帰宅後、寝る前に1時間ほど勉強。休日にはまとまった量の勉強を行うというペースで履修を続けています。デジタルキャンパスの中で多くの学生や先生と話し、その後も知り合った学友同士でSNSなどを通して情報交換できるので、海外に住んでいてもクラスメイトと一緒に学んでいる感覚を得られ、学生生活を満喫しています。

心理学の知見が、アイデアや表現力に
深みと幅を与えてくれると信じて。

私は心理学を学ぶまで、心とは「一人ひとり異なっていて、捉えどころがないもの」だと思っていました。しかし授業を通じて、多くの研究者がさまざまな実験や調査を行い、理論やデータを確立することで、心を「誰もが理解できる資産」として残してきたのだという事実を知り、一気に心理学の面白さに目覚めました。身近な例で言えば、私は気分転換したいときには場所を移動するのが習慣なのですが、心理学的にも環境の変化と心の変化は密接に関連していることがわかっているそうです。このような「自分がやっていたことは、正解だったんだ!」という発見には思わずうれしくなります。
私には、「たちばなエクール」での身近な気づきや学びが、将来のパフォーマンスにつながるという確信があります。特にコンテンポラリーダンスでは「負の感情」を表現することが多いので、どんな出来事がどんな心理変化を及ぼすのか、それがどのような仕草や行動につながるのかを、専門的視点から理解しておくことは私自身のスキルアップを促してくれるはずです。プロのダンサーとして、蓄えた知識の分だけ表現の引き出しを増やし、より観客の心に訴えかけるパフォーマンスを披露できるよう、これからも努力していこうと思います。