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心理学の体系的な学びを自治体の仕事に反映する
卒業生 塩屋幸男さん
正科生3年次編入学
地方公務員
民間企業と公務員の仕事を通して芽生えた
心理学への学習意欲。
民間企業で35年以上にわたり、人事や労務に関する仕事に携わりました。働く人のモチベーションや労働のモラルに興味があり、独学でキャリアコンサルタントの資格を取得。その後、地域の人材活用や子どもの育成にも関心をもつようになりました。
現在、地方公務員にキャリアチェンジして7 年になります。「経験値だけでなく、体系的な学びを身につけてみたい」という思いが芽生え、リタイヤ後のボランティア活動に役立てることも見すえて資格の取得を検討。大学院への進学も選択肢のひとつでしたが、公認心理師をめざすには、大学と大学院の両方で所定の科目を履習する必要があります。さらに現在の仕事との両立を考え、通信制の「たちばなエクール」を選びました。
心理実習で見た公認心理師の
活躍する様子が刺激に。
在学中の貴重な経験のひとつが、「心理実習」です。精神病院で働く臨床心理チームに接し、よい雰囲気の中でスタッフが育成されていることを知りました。ここでは公認心理師が、医師や看護師などの医療従事者で構成されるチーム医療の一員として活躍しています。医師の指示に基づいて対応するという法律を遵守しながらも、医師と対等に接している姿を見て、「心理学の専門知識はもちろん、人格的な器量が求められる仕事なのだ」と痛感しました。
医療少年院の職員の話も印象に残っています。ここでは問題を起こした少年が暮らしているとされていますが、彼らの中には何らかの被害を受けていたり、養育の過程に問題があったりすることも珍しくありません。限られた矯正期間の中で、臨床心理的な視点から犯罪抑制や矯正教育が計画に沿って実践されていることを知ると同時に、元の生活に戻った少年たちの社会的フォローの必要性を感じ、新たな課題意識をもつ機会にもなりました。
社会の活力の源泉は人
これからも学び続ける。
「たちばなエクール」の学びのおかげで、今の職場でさまざまな行政機関を体系的に認識できるようになりました。また、職場には公認心理師、スクールカウンセラー、要保護児童対策地域協議会に基づき公共的なケアに携わる職員がいますが、その方たちへの理解がより深まったと思います。
自らの経験から、「たちばなエクール」への入学を検討されている方には、あまり心配せずやってみたらよいとお伝えしたいです。私も当初は「卒業できるだろうか」という不安がありましたが、ダメ元で1年目に履修科目を充実させたのがよかったようで、大きく負担に感じることはありませんでした。おすすめは、時間を有効活用してメディア授業をどんどん視聴することです。配布されるレジュメはPC やスマートフォンで閲覧できますが、私はプリントアウトして読むことで頭に入れるようにしていました。
今後は、公認心理師の資格取得に向けて大学院で学びたいと考えており、ヒルガード&アトキンソンの心理学教科書の原書版を、英和辞書を引きながら少しずつ読んでいます。
私が思うに、おそらく学問とは単位取得や卒業資格とは異なる次元で、ずっと続くものではないでしょうか。前職から現在に至るまで変わらない「社会の活力の源泉は人である」という思いを胸に、公認心理師をめざして学び続けていきたいと思います。