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在学生・卒業生メッセージ

心理学の知識を味方に、人々の「拠り所になれる人」へ

総合心理学部

学生

正科生2年次編入学 在学生 三田彩寧さん

「心地よさ」の根源を探るため、 建築から心理へ進路を変更。 

私はもともと「人々にとって居心地の良い建物をつくる」建築士になりたいと考え、他の大学で勉強をしていました。しかし、建築の勉強を進める中で次第に考えが変わっていきました。居心地の良さを突き詰めて考えるには、まず人が何をどう感じるのかを知らなければならない。そもそも、つくるものが建物でないといけない理由はないのではないか…。そして、「人の拠り所となれる“心”をつくるにはどうしたらよいのか?」と、心理学への進路変更を考えるようになりました。 

このときすでに1年次の3月半ばだったので、そのタイミングからでも入学できる、心理学を学べる大学を探して、たちばなエクールへの入学を決断しました。この決断に家族も驚いていましたが、最終的には私の意志を尊重してもらえました。心理学科を卒業するとさまざま進路があるということに加え、たちばなエクールであればスクーリングの際に自宅から近く、また心理職をめざせるカリキュラムが整っているという特長は、大きな後押しになってくれました。 
 

きめ細かなサポートのおかげで 、専門性の高い卒業研究も行うことができる。 

私は、1週間のうち4日は自宅でたちばなエクールの勉強を行い、3日はアルバイトをするというスケジュールで過ごしています。これまでの授業の中で印象深かったのは、障がい児や障がい者の発達に関する授業。単なる座学としての知識だけでなく、障がい者福祉施設で働く教員のリアルな体験談なども交えて、障がいを持つ人がどのような日常を送り、どんなところに喜びや苦労を感じているのかを知ることができました。この授業を通して感じたことは、「障がいを持つ人を必要以上に特別扱いしなくてもいいのかもしれない」ということ。困りごとに応じた配慮は必要ですが、過度に世話をしたり気遣ったりすることは、ときに相手への敬意を欠く振る舞いにつながってしまうからです。思いやりを持ちながらも、自分と相手を対等に扱う姿勢の大切さは、心理学を通じて得られた発見です。 

現在は、発達心理学分野の卒業研究の真っ最中。子どもが生まれたばかりの親戚に協力をあおぎ、「乳児が周囲からの働きかけにどのような反応を見せるのか」を観察し、教員の指導のもと研究を行っています。いつも質問にはシステムを通じてていねいに回答してくださいますし、相談ごとがある時は、学生サポートセンターのみなさんがいつも迅速に対応してくださるので、とても頼りにしています。 

心を学び、自分を見つめ直した。 他者をもっと分かりたいと思った。 

私はこれまで、心理学を学び人の心や特性を知る過程で、自己理解が深まりました。自分はどんなときに何を感じて、どんな行動をとるのか。自己理解を深めることができたのはなぜか…。知識を得るごとに、自分に当てはめて考える機会が多い学びだからかもしれません。そしてこの思考回路が、多様な考え方・感じ方を持つ他者をもっと理解できるようになりたいという、寄り添う姿勢につながっていると思っています。 

自分を理解し、他者を理解しようと努めるコミュニケーションを繰り返す中で、私という人間に他の人たちが居心地の良さを感じてくれるのではないか。私がめざす「心の拠り所をつくれる人」にも近づけるのではないかと思うのです。進路変更を検討し、心理学を学び始めた頃に抱いていた疑問を、これまでの学びを通じて少しずつ解き明かし、その答えを自分のものにできている実感がいまはうれしい。この先も、より多くの人の心の拠り所になれるようなコミュニケーションをめざしていきます。