人の心に向き合い、理解するために大切な姿勢を伝えていく
「臨床」と聞くと、心に問題を抱えている人が元気を取り戻す場所、そんなイメージがあると思います。そういった心理的支援はもちろん、心の健康の維持増進や、心の不調の予防など、領域の広さが「臨床」の特長です。授業ではさまざまな心理的支援に役立つ基礎的理論やアセスメントなどの学習をはじめ、「対人援助論」「心理学的支援法」といった現場での実践科目も数多く設定しています。医療現場や福祉施設、学校、司法施設など、現場によっても必要な知識やスキルは異なりますので、幅広く関心をもって学ぶことをおすすめします。私は「カウンセリング」という授業を担当しています。カウンセリングで大切なのは、相手との信頼関係を築くこと。人の悩みは千差万別ですから、自分の価値観で判断せず、客観的に捉えて寄り添うことが不可欠です。また、相手の話を客観的に聴くことは簡単なようで難しいもの。そこで大事なのは「傾聴」という態度です。話の聴き方を変えると、新たなコミュニケーションがうまれ、自分や他者の理解が深まるのです。これは、臨床心理の専門家はもちろん、普段の生活でも役立てることができます。授業では、相手の話を聞き、寄り添うために必要な姿勢などを基礎から丁寧に伝えていきます。
自分にもまわりの人にも臨床の知識の活用を
臨床心理学は臨床心理の専門家をめざす方はもちろん、人の心の動きに関心がある方も興味深く学習できる学問です。多くの方がたちばなエクールで学び、心理的支援にも、ご自身やまわりの方のメンタルヘルスの向上にも活かしていただけることを願っています。
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