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がん看護専門看護師へのキャリアアップに向けて
看護学コース修了 飯田真実子さん
看護師
豊富な知識と経験で助けてくれた
頼もしい先輩を追いかけて。
私は看護師としてのキャリアをスタートしてから、若年の血液がんの患者さんと接する機会を多く持ちました。治療中や治療後における、仕事や家族、パートナーとの関係性や妊よう性など、考えるべきことが多岐にわたるため、経験の浅い私は、どのようなサポートをすべきか途方に暮れてしまうということが多くありました。そこで頼もしかったのが、同じ病棟のがん看護専門看護師の先輩。治療方針や患者さんの精神状況に応じて、私が患者さんとどのように対するべきかをアドバイスしてくださいました。私もその先輩のように、患者さんを支えるための知識を身につけたいと考え、がん看護専門看護師になるために、学士取得と大学院進学をめざすことにしました。
心理学の視点から、看護の役割を
見つめ直すことができた。
「たちばなエクール」では、看護の専門知識の学び直しはもちろん、心理学の知識を学べたことが非常に印象的でした。特に大きかった学びは、どの患者さんも「病気で弱ってしまった無力な存在」では決してなく、診断のショックで一時的にその力を喪失しているだけで、立ち直る力を十分に持っているということ。そして、看護師ら医療従事者には回復の手助けが求められているということでした。そこでまず重要なのは、相手の話を正確に理解するための傾聴の姿勢。すでに耳なじみのある言葉であり、学生時代にも学びはしましたが、今回の学び直しを通して、いかにそれが表面的な理解だったかを実感しました。「傾聴」とは、ただ「耳を傾ける」=聞くことではありません。相手の話をきちんと理解した上で、引き続き聞くことに徹するのか、積極的に手を差し伸べるのか、あるいは看護の視点で意見を伝えるだけにとどめるのかなど、医療従事者としての専門知識に基づき、治療方針や治療中・後のライフプランなどについて助言を行う力が必要だと気付きました。最新の専門知識を新たに学ぶだけでなく、浅い理解にとどまっていた知識の深掘りもできたという点で、「たちばなエクール」に入学した意義が大きかったと思っています。
得た知識の質・量を強みに、
より良い看護を模索し続ける。
ほかにも「対人援助論」という授業では、相手に何かを伝えるときには、まず相手がその話を聞き入れるだけの余裕があるかを確認することが先決だと学びました。これまでは後輩への指導に際して、「伝えたい」「教えなくちゃ」という気持ちが先立って、まず自分が言いたいことを言ってしまっていましたが、思い返すと後輩の表情は、仕事が忙しくて新しい知識を受け入れるどころではなかったようにも思えます。このコミュニケーションのコツは、これから同僚・後輩への指導役になっていく上で大いに役立ちそうです。今後大学院を卒業したら、病棟全体のがん患者さんを受け持つことになります。一対一での患者さんへのサポートというより、同僚の看護職者へのサポートが増えていきますので、専門的に学びを深めてきた自分だからこそ幅広く、より専門的な知識や治療・回復方針などを伝えながら、患者さんが一層適切なケアを受けられる環境づくりに貢献していきたいと考えています。